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なぜ、40 代・50 代の
更年期世代に
「ゲニステイン」が
おすすめなのでしょう?

2023年 6月 19日

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40 代半ば以降、徐々に増えていく心身の不調。「更年期」を感じることもあるかもしれません。仕事に家庭、子育てと慌ただしい日々のなか、この時期は少しでも穏やかに、健やかに過ごしたいもの。そう考える女性たちが積極的に取り入れるのが大豆食品です。大豆イソフラボンには女性ホルモンに似た働きがあるとわかっているからです。

この時期をよりよく過ごすためのキーワードは「ゲニステイン」。更年期世代に必須と解明されている成分です。その研究の第一人者、寺内公一先生にゲニステインについて伺いました。

INDEXINDEX

まず、ゲニステインとは何なのか。
大豆に含まれていて…?

「ゲニステイン」が
女性ホルモンのように働く理由とは?

なぜゲニステインは
ホルモン受容体と結合しやすいのか?

ゲニステインはどんな人が、
どう摂取するといいのでしょう?

まず、ゲニステインとは何なのか。
大豆に含まれていて…?

まず、簡単に「ゲニステイン」の概要を説明しましょう。「ゲニステイン」は体内に吸収されやすい「大豆イソフラボンアグリコン」の一つで、女性ホルモンのエストロゲンと化学構造的に似ていているため 女性ホルモン様の作用があります。女性ホルモンのように働く植物由来の成分と考えてください。

大豆イソフラボンアグリコンには「ゲニステイン」「ダイゼイン」「グリシテイン」の3 種類があります。
中でも「ゲニステイン」が女性ホルモン様作用が一番強いことで知られます。

また、大豆イソフラボンはポリフェノールの一種で強い抗酸化作用を持っています。体内で起きる酸化はがんや心血管疾患などさまざまな病気やエイジングの原因となりますが、大豆イソフラボンは抗酸化作用によって酸化を衰退させてくれます。

女性ホルモンが減少し心身が揺らぐ更年期世代には、サポート力が大きい「ゲニステイン」が役立つのです。

「ゲニステイン」が
女性ホルモンのように働く理由とは?

「ゲニステイン」は、女性ホルモンに似た作用をもつ成分です。「ゲニステイン」は女性ホルモンであるエストロゲンの一種、エストラジオールと分子構造が非常によく似ています。構造が似ているほど女性ホルモン受容体(レセプター)と結合しやすく、女性ホルモン的な作用の強さが上がります。

なぜゲニステインは
ホルモン受容体と結合しやすいのか?

女性ホルモンは、エストロゲン受容体と結合することで、女性ホルモンとして作用します。女性ホルモンとエストロゲン受容体は、鍵と鍵穴のような関係です。女性ホルモンが鍵、エストロゲン受容体が鍵穴となり、ぴったりと結合するのです。

ゲニステインは女性ホルモンではありませんが、女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ているため、ゲニステイン自体が鍵の役割を果たします。鍵穴であるエストロゲン受容体と結合するのです。結合力は、エストロゲンの次、ダイゼインが変換したエクオールの約10 倍の強さ。イソフラボンの中ではエストロゲン受容体と一番結合しやすく、女性ホルモン様作用も一番強いと考えられています。

臨床研究によるゲニステインのメリットとは

① 骨粗しょう症リスクの低下

複数の研究結果のメタ解析により、ゲニステインは骨粗しょう症のリスクを低下させることがわかっています。女性ホルモンが減少すると、骨にカルシウムを蓄えておく力が低下し、骨密度が下がるため骨折しやすくなるのですが、ゲニステインは女性ホルモンと似た働きをするため骨密度が上がります。結果、骨粗しょう症を予防します。

日本人の高齢者はフレイル(虚弱)が多く、骨粗しょう症リスクが極めて高い点が指摘されています。とりわけ骨密度が下がりやすい更年期以降は過度なダイエットなどは避け、骨密度を減らさないように注意しましょう。

② 更年期症状の低下

更年期症状のある40 ~ 50代の女性90人を3グループに分け、ゲニステインを多く含む大豆イソフラボンアグリコンの摂取量を1日あたり①25mg ②12.5mg ③プラセボとして8週間連続摂取してもらい、更年期症状の改善について比較試験を行ったところ、①のグループでは更年期症状によく見られるうつ症状、不眠症状が③のプラセボ群と比較して有意に改善し、血管運動神経症状(ホットフラッシュ、発汗、のぼせ、冷え)も試験開始時と比較して8週間後に改善しました。心身の不調が続くときは、ゲニステイン摂取による症状の緩和が期待できます。

③ コレステロール値の低下

コレステロールの高い女性に①牛乳たんぱく質、②イソフラボンを含まない大豆たんぱく質、③イソフラボンを含む大豆たんぱく質を無作為に割り当て、12 週間観察したところ、③では悪玉コレステロールが減りました。更年期世代はコレステロールが高くなりやすいので、コレステロールが下がることで生活習慣病や動脈硬化の予防につながります。

④ 皮膚の向上

大豆イソフラボンアグリコンを1日40mg 12週間摂取してもらい、皮膚の状態を比較したところ、肌の弾力性が上がり、キメが細かくなりました。女性ホルモンの減少によるたるみ・しわなど、肌の老化現象が改善する効果があります。

⑤ 乳がんリスクの低下

女性ホルモン様作用があると乳がんが心配されますが、大規模な疫学研究結果によると大豆イソフラボンを摂取することで乳がんリスクは低下することが認められています。植物性エストロゲンの一種であるイソフラボンは女性ホルモンそのものではないので乳腺では作用せず、むしろ乳腺での女性ホルモンの働きを抑えると考えられています。イソフラボンの中でも、ゲニステインの血中濃度が高い人ほど、乳がんになる可能性は低いと示されています。

しかし、サプリメントの摂取により乳がん発症リスクが減少するというエビデンスはないのでとりすぎには注意。内閣府食品安全委員会は、イソフラボンサプリメントの服用は1 日30mg 以下を勧めています。

⑥ アフター更年期も続けられる

更年期の女性ホルモンの変動は、飛行機の着陸時に例えられます。滑り台のようにまっすぐ減るのではなく、安定した上空から揺れながら、気流によっては大きく揺れながら着地します。着地後のアフター更年期には、骨(骨粗しょう症)、血管(動脈硬化)、脳(認知症)、粘膜(泌尿生殖器症状)を守るために、ゲニステインの女性ホルモン的なサポートとポリフェノールの強い抗酸化作用が効果的です。アフター更年期も引き続きゲニステインを外から補い健康維持に努めましょう。

ゲニステインはどんな人が、
どう摂取するといいのでしょう?

ここまでで、ゲニステインのパワーをじゅうぶんにおわかりいただけたことと思います。例えば、心体の不調を感じ始めたけれど、自分自身の健康は自分でケアしたい方。不調は感じるけれど、医療機関を受診するほどでもないなと思う方。そんな方々は、まずはゲニステインを試してみませんか?

では、ゲニステインはどうすれば摂取できるのでしょう。まず、食品では、大豆を発酵させたみそや醬油から摂取できます。しかし、豆腐・豆乳・納豆などに含まれている大豆イソフラボンはほとんどが大豆イソフラボン配糖体として存在しているため、腸内の酵素「−グルコシダーゼ」などで糖を切り離して「アグリコン化」しないと体内に吸収されません。腸内環境によっては、吸収されないことも。また、みそや醬油となると、塩分の取りすぎも気になるところ。手軽に効率よく摂取するならオススメは大豆イソフラボンアグリコン型のサプリメントです。

大豆食品やサプリメントを上手に取り入れながら健やかな毎日を過ごしましょう。

PROFILE

寺内公一先生

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科茨城県地域産科婦人科学講座教授。医学博士。主に更年期障害や骨粗しょう症の診療に従事し、中高年女性の抑うつ・不安・不眠の特性とその対応についての研究や、閉経後骨粗しょう症の病態生理に関する研究、女性の身体的・精神的機能の加齢による変化と、食品・薬品およびそれらに含まれる生理活性物質がこれに対して与える影響についての研究を行う。

取材・文/楠沢順子

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